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行政の対応に不服があれば審査請求できる?

皆様、こんにちは。
今回の青山通信は、行政不服審査法に基づく審査請求に関する情報をお届けします。

 

 


 

 

 

皆様こんにちは。弁護士の柴澤です。

 

 

行政の対応に不服があるので行政不服審査法に基づき審査請求をしたい」という声をよく耳にします。

 

 

そもそも、行政不服審査法に基づく審査請求とは何を対象としてすることができるのでしょうか?

 

 

 

1 行政不服審査法の定め

 

 

行政不服審査法2条では、「行政庁の処分に不服がある者は、第4条及び第5条第2項の定めるところにより、審査請求をすることができる。」と定められています。

 

 

 

また、行政不服審査法3条では、「法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる。」と定められています。

 

 

すなわち、審査請求は、行政庁の処分に不服がある場合や、行政庁が法令に基づく申請に対して何らの処分をもしない場合にすることができます。

 

 

 

 

2 「処分」とは?

 

 

ここで、「処分」とは、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政不服審査法1条2項)であり、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいいます。

 

 

例えば、法令に基づく申請に対する不許可処分、課税処分、生活保護廃止決定処分、運転免許取消処分などはこれに当たります。

 

 

他方で、契約のように行政と対等な立場で行われるものは、処分には当たりません。

 

 

 

 

 

3 「審査請求をしよう!」と思ったら

 

 

審査請求をしようと思い立った場合、

 

①処分と思われるものの内容について記載した書面があるか

 

①の書面に教示(「この処分について不服がある場合は、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、知事に対して審査請求をすることができます。」等といった記載です。)があるか

 

といった点をチェックしていただくと、審査請求をすることができるか否かがわかりやすいかと思います。

 

 

必ずしも、②の教示があれば処分、なければ処分ではない、といえるものではありませんが、教示がなくても処分に当たると主張する場合には、処分に当たるか否かについて争いになる可能性が高いです。

 

 

このような場合、処分に当たるか否かについては、最終的には裁判の中で判断されることになります。

 

 

いずれにせよ、事前相談時における行政の職員の発言について不満であるといったように、行政の対応について不服があれば広く審査請求できるというものではありませんので、ご注意ください。