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意外と知らない?〜「食い逃げ」「ひったくり」って何罪なの?〜

こんにちは、青山通信です。
 
今回は久しぶりの「意外と知らない豆知識」シリーズ第4弾です
 
第4弾は、「よく聞くあれって何罪なの?」です。

 

 


 

 

皆様こんにちは。 弁護士の増子です。

 

 

「きゃ~ひったくりよ~つかまえて~‼」

「食い逃げだ!待ちやがれっ‼」

 

 

 

漫画などを読んでいると、よくこんなシーンがありますよね。よくあっては困るのですが、漫画ではよくあります。

 

 

 

では、考えたことがあるでしょうか?

 

果たしてこれは刑法上何罪にあたるのか?」と。

 

 

 

個人的な感想ですが、漫画などの中では比較的よくある犯罪のように描かれていることが多く、同じくそのように描かれていることが多い万引き(窃盗)と同じようなイメージを持たれてる方が多いのではないかな、と思います(ちなみに私が漫画が大好きなのです)。

 

 

 

 

しかし!!!

 

 

 

実は結構違います。財産犯という点では万引きとも共通点はありますが、少なくとも法律家の感覚からすると全く異なる犯罪です。

 

 

 

では、何罪なのでしょうか?

 

 

 

実はほとんどの方が知っている罪名に当たります。ただ、ひったくりや食い逃げがこの罪名と結びついている方は意外と少ないのではないかなと思います。

 

 

 

 

 

ずいぶんひっぱりましたが、答えの発表です。

 

 

 

 

 

ひったくり→窃盗罪、暴行罪または強盗罪(刑法236条)

食い逃げ→詐欺罪(刑法246条)

 

 

 

 

 

どうでしょうか?思い浮かべた罪名は合っていましたか?

 

 

 

ひったくりは、万引きと同じ窃盗罪にあたることもありますが(それでも万引きより悪質ですが)、抵抗する被害者から奪い取ったような場合は強盗罪に該当する可能性があるのです。

 

 

では、万引き(窃盗罪)と比べてみましょう。

 

 

 

 

 

窃盗罪(刑法235条)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 

 

 

 

強盗罪(刑法236条1項)

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

 

 

 

 

詐欺罪(刑法246条1項)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

 

 

 

 

 

激重ですね。見てください、窃盗罪と違って強盗罪・詐欺罪には罰金刑はありません。

 

 

あんなに軽く描かれていて、下手するとドラ〇もんにも出てきそうなシーンなのに重犯罪なのです(今どきはこういうシーンは放映しないのでしょうか)。

 

 

 

ドラマなどを見ていても「あ、悪いことしてあいつ逮捕されたな」とはわかっても、「正確には何罪で逮捕勾留されたのか?」まで考えることはあまりないのではないかと思います。

 

 

 

某ドラマの杉〇さんは結構詳しく条文まで解説してくれたりしますけど、ちょっと気になったら調べてみるのもおもしろいと思いますよ!