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振り込め詐欺対策:その弁護士、本物ですか?

皆様、こんにちは。
今回の青山通信は、振り込め詐欺対策に関する情報をお届けします。

 

 


 

 

こんにちは、弁護士の増子です。

 

 

さて、ニュースを見ていると、今でも振り込め詐欺のニュースがしょっちゅう流れてきますよね。しかも、最近は、当初のオレオレ詐欺のように単純なものではなく、警察官や弁護士、相手方を名乗る人物が複数出てくる複雑で組織的なものが主流のようです。

 

 

弁護士の名を騙るなど非常に遺憾です。そこで、今回は本物の弁護士と偽物の見分け方をいくつかご紹介しようと思います。

 

 

振り込め詐欺の場合、弁護士を名乗る者が「示談金が必要」「今すぐ用意できないと刑事告訴される」「今なら相手は訴えないと言っている」などと言うことが予想されますが、まず弁護士が本人でもない人物に今すぐお金を用意しろということは99%ないです。親族であってもです。したがって、このように言われた時点でほぼ詐欺は確定です。万が一本物の弁護士であったとしても、こんなことを言う弁護士は信用ならないので応じる必要はありません。

 

 

そもそも、弁護士を名乗って交渉をする以上、それは「業務」であり、当然弁護士としては報酬をいただくことになります。「示談成立」というのは、まさに業務の成果であり、報酬をいただくためには実績を目に見える形で残すのが当然です。したがって、これを電話だけで書面も取り交わさずに行うということは通常あり得ません。示談金の取り交わしは示談書や和解契約書と引き換えに行うのが普通ですので、お金だけを要求する時点でおかしいと思いましょう。

 

 

それでももし本物だったら?と不安な場合は、とりあえず「折り返します」と言って、一旦電話を切ります。ここで本人の携帯電話等に連絡して本人に確認するのが1番ですが、お仕事中などの場合には連絡がつかない場合もあるでしょう。その場合、弁護士だと名乗った人物から伝えられた電話番号ではなく、本物の弁護士の事務所に連絡して確認しましょう。本物の弁護士の電話番号は必ず日本弁護士連合会に登録されています。インターネットで「日弁連 弁護士検索」で検索すると、登録している弁護士は必ず確認できますので、そこに記載されている事務所の電話番号にかけて確認しましょう。注意しなければならないのは、最近の詐欺案件では、犯人グループも本物の弁護士名を騙るので、インターネット検索で名前がヒットしたからといってそれだけでは本物とは確認できないということです。必ず事務所の電話番号に架電するようにしてください。

 

 

振り込め詐欺でなくても、「本物の弁護士かな?」と不安になった時は上記の方法を試してみてください。

 

 

また、逆に本物なのに「ニセモノだ!」と間違わないようにも注意してください。最も注意すべきは、テレビドラマ等の影響だと思いますが、「弁護士バッジ=金バッジ」という勘違いです。確かに弁護士バッジは支給当初は金色ですが、金メッキですので、ベテランになるほどメッキが剥がれて「銀バッジ」をつけていることが多いです(ただし、特別製の「純金バッジ」をつけている方もいらっしゃるのでベテランでも金バッジの方もいます)。「銀バッジ=ニセモノ」とは限りませんので、注意してください。

 

 

少なくとも上記の方法で弁護士が本物か否かは見破ることができますので、「弁護士だ」と名乗られても慌てずに冷静に対応してください。

 

 

ちなみに、私は昔振り込め詐欺の電話がかかってきた現場に居合わせたことがことがあります。まさに「俺!俺だよ!」とかかってきて、当時主流だったオレオレ詐欺でした。自宅ではなかったのですが、家人は「知りません!」と即答して切っていました。息子さんもいるのによく悩まなかったなと思い、聞いてみたら、息子さんの一人称は「ワシ」だと…。共通認識や合言葉は原始的ながら有効な手段だと実感した出来事でした。