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悪質クレーマー対応~その2~

皆様、こんにちは。
今回の青山通信は、悪質クレーマー対応~その2~に関する情報をお届けします。

 

 


 

 

こんにちは、弁護士の上遠野です。

 

 

 

悪質クレーマー対応について具体例を交えて説明いたします。前回(悪質クレーマー対応~その1~)でも述べたとおり、誠意をもって対応する必要が無い悪質クレームとは、クレームの「内容」又はクレーム行為の「態様」において限度を超えた「執拗さ」がある場合を指します。

 

 

 

Q 会社に対して、「また電話します。」、「また電話してこい。」等としつこいクレームにどのように対応すべきでしょうか?また、折り返しの電話の時間を一方的に指定し、「電話してこないときは、会社が責任を認めたものとして考える。」等と言ってくるとのことです。

 

 

 

 

A クレームが長期化すると、その結果、対応する社員、会社にとって過大な負担となるので、注意が必要である。

 

 

 

  しつこいクレームについては、会社の見解が相手方に明確に伝わっておらず、伝達が不十分な可能性があることから、もう一度、相手方の要求内容を正確に確認したうえで、会社の見解、スタンスを明らかにする。応じるべき要求には応じるが、応じられない要求についてはその旨を毅然として伝えるといった対応を取るのがよい。その後のしつこいクレームに対しては、「当社としては、これ以上の対応は致しかねるので、こちらから電話をおかけすることはお約束できません。もちろん責任を認めたという趣旨ではございません。」との対応を行う。

 

 

 

 

Q 突然、会社にやってきて執拗なクレームを行う方に対してはどのように対応すればよいでしょうか?クレームによる訪問が初回か、2回目以降の訪問かで対応をかえるべきでしょうか?

 

 

 

 

 

A 訪問が初めての場合には、クレームの内容が正当なものかどうかを判断するための社内調査に必要な事実を聞き取ることや、相手方の要求内容を正確に確認することに主眼をおいて、クレームに至った事実経過をよく聞き取る必要がある。

 

 

 

 2回目以降の訪問が初回と同じ内容のクレームを理由に会社を訪問してきた場合には、初回と同様の対応をする必要はない。初回の訪問の際に聴取した事実関係に基づいた調査を行っていることを告げて、調査結果についてはあらためてご連絡させていただくことを告げたうえで、それ以上の対応はしないという対応を行う。その後、調査結果を伝えて、調査結果が不当な内容の悪質クレームということであれば、会社としては、今後対応しない旨伝えることになる。

 

 

 

 それにもかかわらず、繰り返し、クレームの内容、会社の対応について不満を述べて会社を訪問する等の行為が継続する場合には、別途、行為の頻度、会社の業務に支障を及ぼす程度等に応じて、警告文の送付(弁護士から内容証明郵便の形式で発送し、クレーマーに対する抑止効果を促す。)、会社の訪問禁止等の仮処分の申立て損害賠償警察署への相談を検討する。

 

 

 

 

 

 Q 初期のクレーム処理にあたっての注意事項、クレームが大きくなりにくいポイントを教えてください。

 

 

 

 A まずは、クレームを申し出てきている方の話を、メモや記録を取りながら、「じっくり冷静」に聴く姿勢を示すことが大事である。不満、感情が鎮まるまえに、担当者が質問を挟んだりすると、それについての説明、釈明をし始めることから、不満、不快感は一向におさまらず、かえってクレームが長期化する原因となりやすい。そのうえで調査の結果、クレームが悪質クレームと認定できた場合、クレームは通常業務を妨害することから、毅然とした対応で会社の方針を明確に伝えることが必要である。